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文献詳細

雑誌文献

病院73巻1号

2014年01月発行

文献概要

特集 人口高齢化と病院医療

高齢化の病院医療への影響―地域包括ケアと病院

著者: 松田晋哉1

所属機関: 1産業医科大学医学部公衆衛生学教室

ページ範囲:P.24 - P.29

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 少子高齢化の進行,経済成長力の低下,医療におけるイノベーションと傷病構造の変化などにより,わが国の社会保障財政の持続可能性が問題となっている.社会保障国民会議では社会保障財政を将来にわたって持続可能なものにするために,医療介護提供体制の構造改革,すなわち地域包括ケアの推進を提言している.

 地域包括ケアは図1に示されるように,高齢者をはじめとする住民が日常生活圏域の中で,医療,介護,予防,生活支援そして住まいの総合的なサービスを受けることができる仕組みである.それは地域の信頼(トラスト)を再構築する試みであり,21世紀のわが国の安心を保障する基盤となるものである.これをどのように具体化していくのか,今われわれはこの大きな課題に取り組むことを求められている.なお,地域包括ケアの内容については,厚生労働省前老健局長の宮島による優れた解説書があるので参照されたい1)

参考文献

1)宮島俊彦:地域包括ケアの展望,社会保険研究所,2013
2)伏見清秀:傷病構造の将来推計,病院 72(9):696-699,2013
3)松田晋哉,藤森研司:ケベックにおけるプライマリケアの新しい実践事例,社会保険旬報 2417:14-19,2010
4)片山壽:父の背中の地域医療,社会保険研究所,2009
5)松田晋哉:医療のなにが問題なのか 超高齢社会日本の医療モデル,勁草書房,2013
6)藻谷浩介,NHK広島取材班:里山資本主義,角川書店,2013

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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