文献詳細
文献概要
特集 人口高齢化と病院医療
地方における病院医療の課題
著者: 寺岡暉1
所属機関: 1社会医療法人社団陽正会 寺岡記念病院
ページ範囲:P.38 - P.46
文献購入ページに移動 本特集の趣旨に沿い,筆者の病院と地域を言わばケーススタディの対象として,地方における病院医療の課題について,帰納的に考えてみたい.
その際の筆者の基本的スタンスを簡単に述べておく.筆者は,一地方医として脳神経外科専門医と総合医の立場で地域住民と向き合い,病院経営者として社会に向き合ってきた.同時に医師,病院,医療と社会とのかかわりにおいて自分自身を含めて社会を観察し,医師会などいささかの社会活動にも参画した.また,2013年7月「第16回日本病院脳神経外科学会」を主催する機会に恵まれ,テーマを「地域社会の高齢化とQOLの変容─脳神経外科診療の役割」とした.本学会において,類を見ないスピードで進行中の高齢社会の医療の課題について貴重な発表が行われたので,本特集のテーマとの関連においてその内容について簡略に触れ,論考の一助とした.
その際の筆者の基本的スタンスを簡単に述べておく.筆者は,一地方医として脳神経外科専門医と総合医の立場で地域住民と向き合い,病院経営者として社会に向き合ってきた.同時に医師,病院,医療と社会とのかかわりにおいて自分自身を含めて社会を観察し,医師会などいささかの社会活動にも参画した.また,2013年7月「第16回日本病院脳神経外科学会」を主催する機会に恵まれ,テーマを「地域社会の高齢化とQOLの変容─脳神経外科診療の役割」とした.本学会において,類を見ないスピードで進行中の高齢社会の医療の課題について貴重な発表が行われたので,本特集のテーマとの関連においてその内容について簡略に触れ,論考の一助とした.
参考文献
1)高橋泰,江口成美:地域の医療提供体制の現状と将来─都道府県別・二次保健医療圏別データ集(2013年度版).日医総研ワーキングペーパーNo.293,日医総研,2013http://www.jmari.med.or.jp/research/summ_wr.php?no=519
2)中山間地域の説明については農林水産省ウェブサイトを参照http://www.maff.go.jp/j/nousin/tyusan/siharai_seido/s_about/cyusan/
3)宇沢弘文:社会的共通資本,岩波新書696,2000
4)有賀徹:超高齢社会に直面する東京都の救急医療.救急の日シンポジウム,東京都庁,2013年9月
5)厚生労働省:平成24年度第5回診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会 参考資料1(5)
6)社会保障制度改革国民会議:社会保障制度改革国民会議 報告書,2013年8月
7)Power M, Quinn K, et al:Development of the WHOQOL-Old module.Quality of Life Research14:2197-2214,Springer,2005または以下を参照WHO:WHOQOL-OLD Module─manual,WHO European office(Copenhagen),2006http://library.cphs.chula.ac.th/Ebooks/WHOQOL-OLD%20Final%20Manual.pdf
8)猪飼周平:病院の世紀の理論.有斐閣,2010
9)松田晋哉:医療のなにが問題なのか─超高齢社会日本の医療モデル.勁草書房,2013
10)府中市:府中市地域ケア体制整備構想に係るモデルプラン.2010年1月
11)D.マッカラ(著),寺岡暉,レブリング・寺岡朋子(監訳),三谷武司(訳):スローメディシンのすすめ.勁草書房,2013(Dennis McCullough:My mother,your mother:embracing"slow medicine"the compassionate approach to caring for your aging loved ones.Harper Collins,2008)
12)P.F.ドラッカー(著),上田惇生,佐々木実智男,林正,田代正美(訳):すでに起こった未来─変化を読む眼.ダイヤモンド社,1994(Peter F. Drucker:The Ecological Vision,1993,Transaction Publishers)
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