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文献詳細

雑誌文献

病院73巻10号

2014年10月発行

文献概要

特集 チーム医療における病院薬剤師の役割

薬剤師業務の新たな展開と今後の期待

著者: 井上大輔1

所属機関: 1厚生労働省医政局総務課

ページ範囲:P.757 - P.761

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■薬剤師業務の基本的な考え方と概要

 薬剤師法第1条では,薬剤師の任務として,「薬剤師は,調剤,医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによつて,公衆衛生の向上及び増進に寄与し,もつて国民の健康な生活を確保するものとする」と規定している.薬剤師は,この任務を果たすため,薬剤に関連した業務に日々従事しているが,薬剤師の業務の考え方は,「監査」の考え方と類似する部分が多い.

 「監査」とは,法令上の定義はないものの,一般的に,ある者が行うある業務について,その信頼性や妥当性を担保するため,法令等に則って行われているかどうかなどを第三者が調査し,必要に応じて指導や助言を行うことである.特に,公認会計士が企業に対して行う「監査」は,財務諸表等の信頼性や妥当性の担保の他,業務の改善にも貢献するものであり,最終的に,投資者や債権者の利益につながる.一方,薬剤師業務の基本である調剤業務とは,医師が交付した処方箋の内容について,患者の肝機能や腎機能に照らし合わせると処方内容は適切か,医薬品の添付文書上の禁忌に該当していないか,などを注意深く検討した上で特定の人の特定の疾病に対して特定の処方内容に従って薬剤を調製する業務であり,患者の利益につながるものである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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