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文献詳細

雑誌文献

病院73巻10号

2014年10月発行

文献概要

特集 チーム医療における病院薬剤師の役割

病院薬剤師と感染制御

著者: 丹羽隆12 伊藤善規1

所属機関: 1岐阜大学医学部附属病院 薬剤部 2岐阜大学医学部附属病院 生体支援センターICT

ページ範囲:P.770 - P.773

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 多剤耐性のAcinetobacter baumanniiやPseudomonas aeruginosaなどの多剤耐性グラム陰性菌による集団感染が報告され1),感染制御の重要性が高まっている.多剤耐性菌の感染制御には,医療従事者および環境を介した水平伝播の防止対策とともに抗菌薬の適正使用の推進が重要である2).このため,感染対策チーム(infection control team;ICT)はより一層,感染制御に取り組むことが求められる.岐阜大学医学部附属病院(以下,当院)では,従来から行っている院内伝播の防止対策に加え,2009年より全注射用抗菌薬を毎日監視することによる精力的な抗菌薬適正使用推進─antimicrobial stewardship─を開始した3).この取り組みは,感染症専門医(infection control doctor;ICD)と薬剤師が中心となって開始しており,特に薬剤師はこのために毎日午前中4時間を費やしている.本稿では,このICTとしてのantimicrobial stewardshipの取り組みを通じてチームのなかでの薬剤師の役割,各職種の連携を述べる.

参考文献

1)堀賢,森兼啓太:「多剤耐性グラム陰性菌感染制御のためのポジションペーパー」の刊行にあたって.インフェクションコントロール 20(12):1232-1234,2011
2)日本環境感染学会多剤耐性菌感染制御委員会(編):多剤耐性アシネトバクター・バウマニ(multiple drug-resistant Acinetobacter baumannii)等を中心とした多剤耐性グラム陰性菌感染制御のためのポジションペーパー第1版.日本環境感染学会誌 26(4):S1-21,2011
3)Niwa T, et al: Outcome measurement of extensive implementation of antimicrobial stewardship in patients receiving intravenous antibiotics in a Japanese university hospital. Int J Clin Pract 66(10):999-1008, 2012
4)Dellit TH, et al: Infectious Diseases Society of America and the Society for Healthcare Epidemiology of America guidelines for developing an institutional program to enhance antimicrobial stewardship. Clin Infect Dis 44(2):159-177, 2007
5)Drew RH: Antimicrobial stewardship programs: how to start and steer a successful program. J Manag Care Pharm 15(2 Suppl):S18-23, 2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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