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文献詳細

雑誌文献

病院73巻10号

2014年10月発行

文献概要

特別記事

ユニバーサルデザインの考え方にもとづく病院設計

著者: 髙橋儀平1

所属機関: 1東洋大学ライフデザイン学部人間環境デザイン学科

ページ範囲:P.796 - P.801

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■病院設計におけるユニバーサルデザインとは

 特別なデザインではなく,可能な限り多くの人がともに利用できることを目標とするユニバーサルデザイン(以下,UD)の概念がわが国に導入されてから早くも20年が経過しようとしている.2000年以降の15年間でトップメーカーの製品開発や公共建築物の設計,自治体サービスにUDの考え方が数多く導入されてきた.

 しかし,公共的建築物の中では特殊性が強い病院建築の場合,UDの導入はやや遅れて始まった.交通機関と同様,病院は,どのような患者や家族にも「安心」を与え,わかりやすさを伝えなければならない施設である.病院は,入院患者,外来患者,付き添い者はもとより,病院職員,医師にとっても安心感が得られ,快適である環境づくりが求められる.緊急時や自然災害など,どのような事態になっても病院に訪れる市民の願いは,医療機関こそが「安全である」という「確信」である.これが病院におけるUDのゴールともいえる.

参考文献

1)ユニバーサルデザイン・コンソーシアム:愛媛県立中央病院(仮称)ユニバーサルデザイン・レビュー中間報告.2009
2)髙橋儀平,菅原麻衣子:F病院改築計画におけるユニバーサルデザイン手法の導入と評価.日本建築学会計画系論文集第587号,2005
3)髙橋儀平,名和杏子,他:ユニバーサルデザインと医療環境.第42回日本医療福祉設備学会予稿集,病院設備 315,2013
4)髙橋儀平:ユニバーサルデザインと医療環境.医療福祉建築No.176,2012
5)三星昭宏,髙橋儀平,磯部友彦:共生のユニバーサルデザイン.学芸出版,2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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