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特別記事
ユニバーサルデザインの考え方にもとづく病院設計
著者: 髙橋儀平1
所属機関: 1東洋大学ライフデザイン学部人間環境デザイン学科
ページ範囲:P.796 - P.801
文献購入ページに移動特別なデザインではなく,可能な限り多くの人がともに利用できることを目標とするユニバーサルデザイン(以下,UD)の概念がわが国に導入されてから早くも20年が経過しようとしている.2000年以降の15年間でトップメーカーの製品開発や公共建築物の設計,自治体サービスにUDの考え方が数多く導入されてきた.
しかし,公共的建築物の中では特殊性が強い病院建築の場合,UDの導入はやや遅れて始まった.交通機関と同様,病院は,どのような患者や家族にも「安心」を与え,わかりやすさを伝えなければならない施設である.病院は,入院患者,外来患者,付き添い者はもとより,病院職員,医師にとっても安心感が得られ,快適である環境づくりが求められる.緊急時や自然災害など,どのような事態になっても病院に訪れる市民の願いは,医療機関こそが「安全である」という「確信」である.これが病院におけるUDのゴールともいえる.
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