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特集 これからの医療安全を考える
医療界のヒューマンエラー対策の動向
著者: 河野龍太郎1
所属機関: 1自治医科大学医学部メディカルシミュレーションセンター
ページ範囲:P.850 - P.853
文献購入ページに移動■安全への取り組みは終わりなき闘い
Reason1)は,著書『組織事故』の中で,「安全への取り組みは戦争である」と表現している.さらに,その戦争は「最後の勝利なき長期のゲリラ戦」と説明している.
筆者はこの表現を知ったとき,まさにそうであると思った.完全に勝利することはなく,決して終わらず,敵は潜伏しており,手を抜くとやられ,そして,リターンマッチはない.まさにこのたとえは医療のリスクマネジメントにぴったりである.われわれはエンドレスの取り組みをしなければならない.
Reason1)は,著書『組織事故』の中で,「安全への取り組みは戦争である」と表現している.さらに,その戦争は「最後の勝利なき長期のゲリラ戦」と説明している.
筆者はこの表現を知ったとき,まさにそうであると思った.完全に勝利することはなく,決して終わらず,敵は潜伏しており,手を抜くとやられ,そして,リターンマッチはない.まさにこのたとえは医療のリスクマネジメントにぴったりである.われわれはエンドレスの取り組みをしなければならない.
参考文献
1)Reason J:Managing the risks of organizational accidents. Ashgate Publishing, 1997(塩見弘監訳:組織事故.日科技連出版社,1999)
2)Reason J:Human Error. Cambridge University Press, New York, 1990(林喜男監訳:ヒューマンエラー─認知科学的アプローチ.海文堂出版,1994)
3)Lewin K:Field Theory in Social Science. Harper, New York, 1951
4)島田一男,他:基本マスター心理学.pp10-11,法学書院,1981
5)河野龍太郎,宮崎歌津枝:医療システムの問題点と医療者のパフォーマンス向上による患者安全.医療職の能力開発 3(1):1-17,2014
6)河野龍太郎:医療におけるヒューマンエラー 第2版.医学書院,2014
7)TeamSTEPPS Home http://teamstepps.ahrq.gov/
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