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特集 これからの医療安全を考える
医療事故における情報開示のあり方
著者: 浦松雅史1 三木保2
所属機関: 1東京医科大学医療の質・安全管理学分野 2東京医科大学病院安全管理室
ページ範囲:P.859 - P.863
文献購入ページに移動医療事故が発生した際,医療機関から患者に対して情報をどのように提供するかは,患者やその家族はもとより,事故に関与した医療従事者,さらには医療機関にも大きな影響を与える.そこで,医療機関から患者への情報提供の方法を含めた医療事故発生時の「対応のあり方」について,組織的かつ制度的に検討することが必要となる.
オーストラリアをはじめとする先進各国においては,医療事故発生時の「対応のあり方」として,Open Disclosure Standard1)(以下「オープン・ディスクロージャー」とし,特に言及がない場合には内容は文献1に依拠している)という考え方が広まってきている.オープン・ディスクロージャーとは,「生じた有害事象」「そこから生じた結果」および「被った害を救済する手段」などについての情報を,どのように患者・家族に提供すべきか,その考え方や具体的な手順を示したものである.
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