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文献詳細

雑誌文献

病院73巻11号

2014年11月発行

文献概要

連載 リレーエッセイ 医療の現場から

天命

著者: 宮阪英1

所属機関: 1医療法人紫苑会 藤井病院 診療部

ページ範囲:P.897 - P.897

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 最近,よく考えることがある.人には天から与えられた役割,いわゆる天命があるのではないかということである.すべてはこの記録をたどる,とされる「アカシックレコード」を盲信するわけではないが,行っていることが天命だと気付くと,それはさらなる意味を持つと思う.明治〜大正時代の思想家,内村鑑三の言葉に「人生の成功とは自分の天職を知って,之を実行することである」という名言があるが,まさにそのとおりであると感じる.これは医療の世界でも一緒だと思う.大学病院をはじめ大病院の医師は,最先端の技術を提供し,そのために日々努力する.地域の開業医は,地域住民の悩みに答え,健康維持に邁進する.どのような立場であれ,漠然とでも自分の天命を理解している人は,力強く,輝いて見える.
 私は,医師になってからの8年間をいわゆるジェネラリストとして従事してきた.救急医および総合診療医としての8年間を過ごした京都・宇治徳洲会病院の救命救急センターでは,1次から3次までの救急に幅広く対応し,内科救急だけでなく小児科救急や外傷などの初期診療にも携わってきた.総合診療医としては,ほぼ全ての内科疾患の入院を診ていた.なので,幅広く何でも診ることには自信があった.良く言えば「幅広く診る」という得意技を持ったスペシャリストであった(なお,私と違って幅広くだけでなく専門医を凌駕するほど深く診ることができる総合診療医も存在する).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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