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特集 求められる看護補助者の役割
地域における看護師と看護補助者の協働
著者: 松田晋哉1
所属機関: 1産業医科大学医学部公衆衛生学教室
ページ範囲:P.281 - P.286
文献購入ページに移動高齢社会の進展に伴い「看護の時代が来る」と言われて久しい.しかしながら,病院を中心とした医療提供体制の中で,看護はその本来の役割を十分に発揮できていないのではないだろうか.本稿で説明するように高齢化の進行は地域そのものを「病棟化」するよう要求し,そしてそこで質の高い療養生活,具体的には看護診断・看護計画に基づくサービスを必要とする.それは予防的なものであり,看護・介護の総合的なサービス,すなわち看護師と看護補助者(介護職)の協働を要求する*.
厚生労働省は地域包括ケアの実現を今後10年間のもっとも重要な政策課題として位置づけていると考えられる.その実現のためには医療ニーズ・介護ニーズの高い高齢者が,できうる限り在宅で生活することを支えるためのサービス提供体制の実現である.しかもそれはQOLが保障されたものでなければならない.中核となるのは看護師と介護士の協働による質の高い在宅サービスの実現である.とりわけ予防的な視点をもった看護管理が重要となる.本稿では筆者のこうした問題意識をもとに,先進的な小規模多機能居宅介護サービスを行っているびんご倶楽部高須(広島県尾道市)などを参照しながら記述してみたい.
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