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特集 ITの活用とこれからの医療
超高齢社会における医療IT推進の必要性と課題
著者: 石川広己1
所属機関: 1日本医師会
ページ範囲:P.432 - P.438
文献購入ページに移動特に平成18(2006)年の第5次医療法改正では各都道府県が策定する「医療計画」において,4疾病(がん,脳卒中,急性心筋梗塞,糖尿病)5事業(救急医療,災害時における医療,周産期医療,小児医療,へき地医療)別の具体的な医療連携体制を地域ごとに位置付け,県の医療計画策定を促している.いわゆる,「循環型医療連携」なる提案がなされていた.これは疾病(事故)などの発生から症状の軽重に合わせて,該当する医療機関に搬送し対処するという図式である.さらに,症状の変化に合わせて該当する医療機関に転院などを行い,治療を受け継ぎ,最終は在宅や慢性期治療を扱う施設まで回っていく.つまり患者の症状に合わせた医療機関に医療連携の下で患者を搬送移動(循環)させるという図式を描いたものである(図2).この提案は医療連携の理想型として提案したものであるが,地域の医療機関構成や現場の医師の連携への意識など,現実と乖離していたため「絵に描いた餅」と現場からの批判が相次ぐものとなった.
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