icon fsr

文献詳細

雑誌文献

病院73巻7号

2014年07月発行

文献概要

連載 世界病院史探訪・16

ザルツブルクにある2つのシュピタール

著者: 石田純郎1

所属機関: 1医療法人慈生会 介護老人保健施設くつろぎ苑

ページ範囲:P.511 - P.512

文献購入ページに移動
 封切りより半世紀になるアメリカ製ミュージカル映画「サウンド・オブ・ミュージック」の舞台が,オーストリアのザルツブルクである.この映画を見て,いまだに多くの観光客が世界中から訪れ,ロケ地巡りの大型観光バスが客を満載して,毎日運行されている.断崖のある丘上に,大規模な城砦ホーエンザルツブルクが聳える印象深い地形の人口14万人の古都ザルツブルクは,ザルツァッハ川西部の狭い平野に旧市街がある.この街にも,旧市街に1つ,そのすぐ北側の新市街に1つ,計2つのシュピタールがある.これら以外にもザルツブルクにはシュピタールが置かれ,裕福な都市であった.

 世界遺産の旧市街にあるシュピタールが,ブルガー・シュピタール(Burgerspital)で,トラップ・ファミリーが歌った音楽祭会場である大祝祭劇場の北部に接する馬の水飲み場(やはりロケ地)の北部Burgerspitalgasse2番地にある.正式名はBurgerspital St.Blasiusという.まず12世紀末に後にシュピタール教会となったSt.Blasius教会が建てられた.St.Blasiusは病人の守護聖人で,アルメニアの医師で司教であり,5世紀から6世紀初めに実在したとされる.次いで,1327年にFriedrichⅢ世大司教が,年老いた病人のためのシュピタールを建て,16世紀に拡張された.市民からの寄付に頼ったので,Burgerspital(市民病院)と呼び称されるようになった.現在シュピタール棟は,ザルツブルクおもちゃ博物館として利用されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら