文献詳細
特集 多様化する病院経営
文献概要
■医療環境の変化
一般の産業の組織であれば,創業者がやりたいこと,つまり理念であるが,これを従業員が一丸となって達成することが組織の存在意義となる.病院組織は,国としての基本インフラである社会保障の一部であるが故に,創業者の理念というものよりも,国としての方針や政策に依存する部分が大きくなることが多い.さらに,診療報酬といったインセンティブの制度があるために,外部環境に依存する部分がさらに大きくなってしまうのである.
これが,独自の方向性を打ち出している一般の組織であれば当然とされる考え方を病院が行いにくくなったり,あるいは患者本位のマーケティング,患者満足度の追求といった考え方が希薄になったりしてしまった理由である.
一般の産業の組織であれば,創業者がやりたいこと,つまり理念であるが,これを従業員が一丸となって達成することが組織の存在意義となる.病院組織は,国としての基本インフラである社会保障の一部であるが故に,創業者の理念というものよりも,国としての方針や政策に依存する部分が大きくなることが多い.さらに,診療報酬といったインセンティブの制度があるために,外部環境に依存する部分がさらに大きくなってしまうのである.
これが,独自の方向性を打ち出している一般の組織であれば当然とされる考え方を病院が行いにくくなったり,あるいは患者本位のマーケティング,患者満足度の追求といった考え方が希薄になったりしてしまった理由である.
参考文献
1)真野俊樹:論点 医療マネジメント 診療報酬議論に偏るな.読売新聞,2012年5月3日
2)ロバート・チャーリス(著),真野俊樹(監訳):世界標準のトヨタ流病院経営─明日から病院を変える46のポイント.薬事日報社,2011
3)真野俊樹:疾病構造の変化と高齢化がもたらす医療への影響─米国での定点観測をもとに.共済総合研究 66:21-39,2013
4)Grunden N:The Pittsburgh Way to Efficient Healthcare. Healthcare Performance Press, 2007
掲載誌情報