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文献詳細

雑誌文献

病院73巻8号

2014年08月発行

特集 多様化する病院経営

わが国にふさわしい「非営利ホールディングカンパニー」構想とは

著者: 武田俊彦1

所属機関: 1総務省消防庁

ページ範囲:P.607 - P.612

文献概要

 今,医療法人の在り方について議論が行われ,特にホールディングカンパニー構想が議論の焦点になっている.わが国の医療制度は,公的保険制度の提供主体を多くの民間法人が担うという世界的にも例の少ない仕組みとなっており,医療法人制度も特有な制度である.

 このため,主体論・法人論は多くの医療機関に影響を与えるとともに,ひいては日本の医療提供体制にも影響が及ぶ.各医療機関の現状を見ても,民間医療機関の多くが病床機能の転換や建て替え,新規投資を迫られており,その上医療改革に伴って機能連携や医療・介護連携といった他機関との連携を図らなければならない環境にある.したがって,今後の事業展開を円滑に進めるための制度的バックアップが求められていると言える.

 このような現状を踏まえ,ホールディングカンパニー論について,その経緯,意義,そして今後の在り方について整理してみたい.

参考文献

1)NIRAのホームページからダウンロード可能である.http://www.nira.or.jp/outgoing/report/entry/n120120_619.html
2)猪飼周平:病院の世紀の理論.有斐閣,2010
3)ただし,機能分化の流れの中で,現行制度下においても近年は経営譲渡の例が急増している.
4)株式会社が医療を行う問題点については,NIRA報告書において整理してあるので参照されたい(p35より).
5)医療の問題は,株式会社が参入すれば解決するという単純な問題ではないことを示す一例と言える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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