病院74巻11号

2015年11月発行

特集 医療の質指標　新時代の幕開け

慢性期病院における医療の質向上への取り組み

著者： 矢野諭¹²

所属機関： ¹日本慢性期医療協会 ²医療法人社団大和会　多摩川病院

ページ範囲：P.824 - P.828

●2012年度「医療の質の向上・評価公表等推進事業」調査結果から明らかになった慢性期病院における質評価の問題点を分析した．
●日本慢性期医療協会は，独自に策定した慢性期医療のClinical Indicatorを用いた「慢性期医療認定病院認定審査」に代表される質の向上に向けた数多くの取り組みを実践してきた．
●今後は「地域包括ケア病棟」におけるClinical Indicatorの導入をめざしており，DPCデータをいかに活用するかが課題となる．

参考文献

1）矢野諭,武久洋三：慢性期医療の臨床指標（Clinical Indicator）の導入と活用─慢性期医療における診療の質を測る．日本医療・病院管理学会誌 48：23-33, 2011

2）矢野諭：慢性期医療認定病院認定審査─審査結果の分析・今後の展望と課題．JMC 20：14-21, 2012

3）矢野諭：慢性期医療を再考する─求められる看護・ケアを含めた診療の質．看護管理 21：250-251，2011

4）矢野諭：認定審査のねらい・概要─協会のCIは慢性期医療の重要性を強いインパクトで示し，質の向上に大きく寄与（特集 医療認定病院の認定審査のねらい）．JMC 19：13-19, 2011

5）矢野諭：療養病床における退院支援に求められる診療の質．地域連携入退院支援 14：78-83，2011

6）石垣和子，金川克子（監修），山本則子（編）：高齢者訪問看護の質指標─ベストプラクティスを目指して．日本看護協会出版会，2008

7）矢野諭，中川翼，武久洋三：慢性期病態別診療報酬体系策定推進事業─急性期との連携や在宅支援も視野に，望まれる報酬体系や制度の構築を提言．JMC 19：13-24，2012

8）矢野諭：「入院病床区分」による診療報酬体系の導入─「医療区分」と「慢性期病態別診療報酬体系（試案）」調査結果から．JMC 21：12-19, 2013