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新しい専門医制度の意義と予想される影響—総合診療専門医と「かかりつけ医」の共存
著者: 箕輪良行1
所属機関: 1独立行政法人 地域医療機能推進機構 東京蒲田医療センター
ページ範囲:P.134 - P.138
文献購入ページに移動2013(平成25)年4月に発表された「専門医の在り方に関する検討会」最終報告は非常に大きな改革である.筆者はこの影響を予測し,第3の改革と位置づけたい.つまり,約150年間に3つの大きな医制改革があったことになる(表1).明治政府がドイツ医学を導入して漢方医を事実上消滅させた第1の医制改革,GHQが旧帝大卒業の医師と同等の医師資格を大量にいた医専卒業医にも付与すると決めた第二次大戦後の第2の改革,2004(平成16)年に新しい臨床研修で始められて後期研修の整備と専門医制の確立をうたった今回の改革である.
2017(平成29)年以降に確立される専門医制度は世界標準の体制だが,それまで医療供給の主体であった医師群と新しい医師群とが共存する初期段階は医療の受け手である国民にも多少の混乱が生ずるだろう.けれども医師が世代交代する20年程度のあいだ開業医が中心となって,国民医療を提供する日本独特の医療システムのもとで安定した医療供給がなされ,専門医制と開業医制が継承されるだろう.
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