文献詳細
文献概要
Book Review
トラブルに巻き込まれないための医事法の知識 フリーアクセス
著者: 古川俊治12
所属機関: 1参議院 2慶大法科大学院
ページ範囲:P.371 - P.371
文献購入ページに移動それ以上に,仮に勝訴するにしても,患者からクレームを受けたり訴訟を提起されたりして,その対応に追われることは,病院・医療従事者にとって大きな時間的・精神的負担となる.何よりも,医事紛争を未然に防ぐ対策が,極めて重要である.医療事故や医事紛争は,それぞれの医療機関において,同じような原因で発生することが多い.したがって,過去の事例に学び,その原因を分析し,自院の医療事故や医事紛争の予防に役立てる取り組みが重要である.また,医事紛争は,医療従事者に法的意味での過失があり,その結果,悪しき結果が実際に患者に発生した場合にだけ起こるわけではない.医療従事者が法律知識を欠いているために,対応や説明を誤り,患者側の不信感を強めているという場合も多い.したがって,医療従事者は,広く病院・臨床業務に関する基本的な法律知識を学び,医療事故や医事紛争に対する適切な対応を習熟しておくことが必要である.このことは,医療機関の管理者だけではなく,実際に患者に接することになる,第一線で活躍する医療従事者にこそ望まれる.
掲載誌情報