文献詳細
文献概要
連載 病院経営に効く1冊・7
『—超高齢化社会を生き抜くために—地域包括ケアの展望』
著者: 松田晋哉1
所属機関: 1産業医科大学公衆衛生学教室
ページ範囲:P.527 - P.527
文献購入ページに移動地域包括ケア体制の構築の基本的な枠組みを作ってきたのが厚生労働省老健局長の私的勉強会である「地域包括ケア研究会(座長:田中滋・慶應義塾大学名誉教授)」である.そして,行政側でこのビジョン策定に長く,そして深く関わってきたのが本書の著者である宮島俊彦・前厚生労働省老健局長(現内閣官房社会保障改革担当室長)である.本書では地域包括ケアの考え方について構想策定の責任者としての立場から包括的に論じられており,そしてその内容はまさに今,実現に移されつつあるものである.特に,第2章の一体改革の構図の内容は重要である.例えば,医療計画についてはその役割を「供給目標の設定と連携体制の確保」とした上で,それを実現するための都道府県のデータ分析能力向上の必要性や医療計画に記載された内容を実現するための「医療・介護・住宅整備ファンド」の設立が提言されている.これはまさに現在,地域医療介護総合確保基金として具体化されているものである.
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