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Choosing Wisely Campaign─適切な医療の選択
著者: 上野文昭1
所属機関: 1大船中央病院
ページ範囲:P.374 - P.375
文献購入ページに移動 日本におけるChoosing Wisely Campaignについて筆者が耳にしたのは,ほんの2年ほど前のことである.調べてみればその概念は今世紀初頭ぐらいからあり,数年前からABIM(米国内科専門医認定機構)財団の主導で多くの学会に働きかけられ,実際の活動が行われている.日本でもほぼ同じ時期から徳田安春氏(地域医療機能推進機構)や小泉俊三氏(七条診療所,前・佐賀大学)がリーダーとなり,海外の集まりに代表が出席しながら,国内の数々の教育セミナーや学会などで,その概念の啓発や普及の努力がなされている.
ではChoosing Wiselyとはいったい何を意味するのだろうか.患者の利益に結びつかない余分な検査を省き,過剰診断を防ぎ,また患者アウトカムの改善が期待できない無思慮な治療介入を放棄しようという思考と行動である.正直なところ,その内容は筆者にとって当たり前すぎることであり,当初それほど好奇心が湧いたわけではない.極論であるが,「医師の能力とオーダーする検査の数は反比例し,医師の自信と処方する薬の数も反比例する」という教えを受けた米国での研修医時代から,ずっとそのスタンスを守り続けてきた.けれども,あまりにも無分別な検査や治療が平然と提供され,患者側もむしろそれをありがたく感じている日本の現状を踏まえ,この活動のリーダーたちが主催するワーキンググループに参加させていただくこととなった.
ではChoosing Wiselyとはいったい何を意味するのだろうか.患者の利益に結びつかない余分な検査を省き,過剰診断を防ぎ,また患者アウトカムの改善が期待できない無思慮な治療介入を放棄しようという思考と行動である.正直なところ,その内容は筆者にとって当たり前すぎることであり,当初それほど好奇心が湧いたわけではない.極論であるが,「医師の能力とオーダーする検査の数は反比例し,医師の自信と処方する薬の数も反比例する」という教えを受けた米国での研修医時代から,ずっとそのスタンスを守り続けてきた.けれども,あまりにも無分別な検査や治療が平然と提供され,患者側もむしろそれをありがたく感じている日本の現状を踏まえ,この活動のリーダーたちが主催するワーキンググループに参加させていただくこととなった.
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