icon fsr

文献詳細

雑誌文献

病院76巻2号

2017年02月発行

文献概要

特集 DPCの新展開

DPCが果たす医療政策の展開—これまでの足跡と医療政策へのインパクト

著者: 迫井正深12

所属機関: 1厚生労働省保険局医療課 2前・医政局地域医療計画課

ページ範囲:P.98 - P.104

文献購入ページに移動
●わが国で独自に展開されたDPCの開発と普及は,広く医療に関わる関係者の「共通言語」が,診療情報の標準化を通じた医療の質向上と医療提供体制改革の推進(地域医療構想)といった社会貢献を果たすという“サービス・イノベーション”である.
●臨床プロセスを重視し米国DRGとは一線を画したDPCは,さまざまな制度設計上の工夫とともに診療報酬制度(DPC/PDPS)に導入され,それを契機に臨床現場で急速に普及・拡大,その後の広範なDPCデータ利活用の礎を築いた.
●さらなる進化が期待されるDPCは今後,急性期入院医療にとどまらず慢性期や精神医療などの「横」への拡充,あるいは,外来や介護といった個人を「縦」に評価・分析する枠組みとしての政策展開が見込まれ,その理念と効用は国際的な規格としての発展も期待される.

参考文献

1)Fetter RB, Shin Y, Freeman JL, et al:Case Mix Definition by Diagnosis Related Groups. Medical Care 18(2):1-53, 1980
2)松田晋哉:DPCとは何か.社会保険旬報No.2189:16-20,2003
3)平成22年12月16日 中医協診療報酬調査専門組織DPC評価分科会資料 診調組D-1
4)野口一重:DRG(DPC)方式の機能性とPPSの経済的特徴.遠藤久夫,池上直己(編著):医療保険・診療報酬制度.p126,勁草書房,2005
5)松田晋哉:DPC開発の目的とは.病院 75:670-675,2016
6)迫井正深:DPCはいかに誕生したか─DRGとDPCの違い.保健医療科学 63:488-501,2014
7)井上裕司:急性期医療の定額支払いに関する調査研究.月刊保険診療 53:13-17,1998
8)梅田勝:「急性期入院医療の定額払い方式の試行」実施に向けて.月刊保険診療 53:25-30,1998
9)迫井正深:急性期入院医療の定額払い方式試行の概要.社会保険研究所,1999
10)松田晋哉:急性期入院医療試行診断群分類を活用した調査研究,平成13年度研究報告書.
11)松田晋哉:病院における包括払い制の現状と課題.季刊・社会保障研究 39:143,2003
12)矢島鉄也,松田晋哉:[対談]DPCはこうしてつくられた.病院 75:81-86,2016
13)迫井正深:DPC制度の展開.病院 69:670-675,2010
14)保健医療分野におけるICT活用推進懇談会提言書(2016年10月19日)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら