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文献詳細

雑誌文献

病院76巻9号

2017年09月発行

文献概要

研究

回復期リハビリテーション病棟の適応患者の検討

著者: 風晴俊之1 美原盤2

所属機関: 1脳血管研究所美原記念病院 リハビリテーション科 2脳血管研究所美原記念病院 神経内科

ページ範囲:P.705 - P.709

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要旨
 現在,回復期リハビリ病棟は疾患ごとに入院期間が定められているものの,疾患によっては重症度が大きく異なるが,詳細な分類はされていない.そこで,FIM利得を算出し,回復期リハビリ病棟の適応について検討した.また,歩行自立に至るまでの期間を調査し,回復期リハビリ病棟のあり方について考察した.結果,重症患者は正の相関,その他の患者は負の相関関係を認めた.すなわち,重症患者や軽症患者は改善が得られにくく,病棟機能を鑑みれば,中等症患者が最も適応であることが示唆された.歩行自立に至るまでの期間は,重症患者は平均64日,最長で120日以内に自立し,軽症患者は平均30日,最長で60日に自立していた.入院期間について,脳血管疾患患者の入院料算定上限日数150日もしくは180日は長すぎる可能性が示唆された.以上より,疾患の重症度など詳細に分類し,単価設定することなどで,医療費の適正化が図られるのではないかと考える.

参考文献

1)社会保険研究所:医科点数表の解釈(平成28年4月版).pp214-223,社会保険研究所,2016
2)一般社団法人回復期リハビリテーション病棟協会:回復期リハビリテーション病棟の現状と課題に関する調査報告書.p41,一般社団法人回復期リハビリテーション病棟協会,2016
3)風晴俊之,鈴木佳代子,中島崇暁,他:回復期リハビリテーション病棟の算定要件に重症患者の改善率を求めることは適切か.日慢性期医療協会誌106号:59-62,2016
4)Gladman JR, Sackley CM:The scope for rehabilitation in severely disabled stroke patients. Disabil Rehabil:391-394, 1998
5)医療保険業務研究協会:医科診療報酬点数と早見表(平成28年度改定).p150,一般財団法人医療保険業務研究協会, 2016
6)石森卓矢,水井悟子,鶴井慎也,他:回復期リハビリテーション病棟退院直後における訪問リハビリテーションの有用性.日慢性期医療協会誌103号:60-65,2016

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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