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特集 検証 平成30年度診療報酬・介護報酬同時改定 【病院種別影響】
地域包括ケア病棟協会
著者: 仲井培雄1
所属機関: 1地域包括ケア病棟協会
ページ範囲:P.979 - P.985
文献購入ページに移動●2018年度診療報酬改定では,地域医療構想と地域包括ケアシステムの実現に向けて,地域包括ケア病棟に関するさまざまな仕掛けが用意された.地域包括ケア病棟協会では,平成30年度地域包括ケア病棟の機能などに関する調査を実施して,その影響を検証した.
●地域包括ケア病棟を有する病院は,“急性期ケアミックス(CM)型”,“ポストアキュート(PA)連携型”,“地域密着型”の3つの病院機能に分類することができ,調査対象施設の概ね5割,1.5割,3.5割を占めた.
●“地域密着型”と“PA連携型”は,200床未満の病院が9割前後を占め,新設の地域包括ケア病棟入院料・入院医療管理料1・3[以下,入院料(管理料)1・3]を届出済み・予定ありの施設が7.5割を超えていた.“急性期CM型”は,200床以上の病院が4割を占め,自院からのPAが多いため,入院料(管理料)1・3の届出済み・予定ありが半数を下回った.
●200床未満の施設は入院料(管理料)1・3で評価されたが,200床以上の施設は評価軸が存在せず,地域包括ケア病棟の質の低下が懸念される.
●地域包括ケア病棟を有する病院は,“急性期ケアミックス(CM)型”,“ポストアキュート(PA)連携型”,“地域密着型”の3つの病院機能に分類することができ,調査対象施設の概ね5割,1.5割,3.5割を占めた.
●“地域密着型”と“PA連携型”は,200床未満の病院が9割前後を占め,新設の地域包括ケア病棟入院料・入院医療管理料1・3[以下,入院料(管理料)1・3]を届出済み・予定ありの施設が7.5割を超えていた.“急性期CM型”は,200床以上の病院が4割を占め,自院からのPAが多いため,入院料(管理料)1・3の届出済み・予定ありが半数を下回った.
●200床未満の施設は入院料(管理料)1・3で評価されたが,200床以上の施設は評価軸が存在せず,地域包括ケア病棟の質の低下が懸念される.
参考文献
1)厚生労働省保険局医療課:平成30年度診療報酬改定説明会(平成30年3月5日開催)資料等について—平成30年度診療報酬改定の概要 医科Ⅰ
2)生命倫理百科事典翻訳刊行委員会(編):事前指示と事前ケア計画.生命倫理百科事典第Ⅱ巻:1258, 2006
3)人生の最終段階における医療・ケアの普及・啓発の在り方に関する検討会:人生の最終段階における医療・ケアの普及・啓発の在り方に関する報告書.平成30年3月
4)仲井培雄:地域包括ケア病棟の役割と今後の課題.病院75:30-35,2016
5)仲井培雄:地域包括ケアシステムの構築に向けて—リハビリテーションの提供体制をどう整えるか.日本慢性期医療協会誌23:50-57, 2015
6)仲井培雄:シンポジウム2「地域包括ケア病棟と創る地域包括ケアシステム」に関する調査報告.日本慢性期医療協会誌24:12-16, 2017
7)田中豊:病院経営からみたPFM—急性期病院生き残りの道.看護展望39:14-16,2014
8)地域包括ケア病棟協会:平成30年度 地域包括ケア病棟の機能等に関する調査.2018 http://chiiki-hp.jp/katsudou/pdf/2018/181004kaiken-02.pdf(2018年10月12日確認)
9)地域包括ケア病棟協会:平成29年度 地域包括ケア病棟の機能等に関する調査.2017 http://chiiki-hp.jp/katsudou/pdf/2017/170905kaiken-01.pdf(2018年10月12日確認)
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