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文献詳細

雑誌文献

病院77巻3号

2018年03月発行

文献概要

連載 医療と法の潮流を読む・10

臨床現場での研究と被験者保護—近年の法制化と残された課題

著者: 井上悠輔1 宇都木伸2 三木知博3

所属機関: 1東京大学医科学研究所・公共政策研究分野 2東海大学 3武庫川女子大学薬学部

ページ範囲:P.251 - P.256

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 従来,基礎研究への傾斜が強いといわれてきた日本でも,成果の社会還元を促す観点から,臨床での医学研究に各種の振興策が打たれるようになった.一方,産学連携における利益相反や研究不正をめぐる問題が世間の耳目を引き,規制のあり方が検討されている.本稿では,こうした動きに対応して2018年度から施行される「臨床研究法」を含め,臨床での研究活動をめぐる諸制度を振り返り,今後の展望や課題を共有する.

参考文献

1)世界医師会:人を対象とする医学研究の倫理的原則(ヘルシンキ宣言).2013年最新版
2)世界医師会:樋口範雄(監訳):WMA医の倫理マニュアル.pp53-55,日本医事新報社,2016
3)津谷喜一郎:学術委員会研究倫理小委員会設立の背景と活動.臨床薬理44:127-130,2013
4)宇都木伸:臨床研究.宇都木伸,塚本泰司(編):現代医療のスペクトル.182,尚学社,2001
5)田代志門:研究倫理とは何か.29,勁草書房,2011
6)一家綱邦:再生医療関係3法—新たな医療を規律する新たな法と倫理の考察.京都府立医科大学雑誌123:553-563,2014
7)井上悠輔:臨床研究における不正と医師の「誠実さ」.年報医事法学29:196-202,2014
8)磯部哲:倫理審査と倫理委員会—医療プロフェッションの自律性.青木清・町野朔(編):医科学研究の自由と規制—研究倫理指針のあり方.307-322,上智大学出版,2011
9)武藤香織:臨床試験への患者・市民参画(patient and public involvement:PPI)とは何か.医薬ジャーナル50:93-98,2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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