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連載 アーキテクチャー×マネジメント・41
社会福祉法人浴風会 浴風会病院
著者: 小林健一1
所属機関: 1国立保健医療科学院医療・福祉サービス研究部
ページ範囲:P.360 - P.365
文献購入ページに移動浴風会は,1923年の関東大震災で被災した高齢者を援護することを目的として,皇室からの御下賜金および一般義捐金を資金とし,内務省社会局により1925年に財団法人として設立された1).現在の京王井の頭線高井戸駅からほど近い場所に約9万m2の敷地を得,家庭寮を中心に54棟,延べ8,415m2を建設したのが始まりであった.
浴風会は設立当初より,わが国の養老事業の模範的施設として,また老年医学の発祥として活動を行っていたが,1941年に太平洋戦争が始まると施設の大半が陸軍に接収され,事業は一時的に困難となった.終戦後の1946年に生活保護法に基づく保護施設として再生復興し,1952年には社会福祉法人へと改組されている.1963年の老人福祉法施行に伴い,老人福祉施設としての事業を展開し,さらに2000年の介護保険法施行を経て現在に至っている2).
本稿では,社会福祉法人浴風会における今日の事業展開について触れつつ,法人内で医療施設がどのように整備・運営されてきたのかを概観したい.
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