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文献詳細

雑誌文献

病院77巻6号

2018年06月発行

文献概要

特別記事

病院総合医とは何か—現状と課題,そして期待

著者: 副島秀久12

所属機関: 1済生会熊本病院包括診療部 2済生会熊本県支部

ページ範囲:P.496 - P.499

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■はじめに
 現在,総合医あるいは総合診療医などの議論が再び注目を浴びつつある.2018年度から始まった予定の新専門医制度の議論の中で基礎領域として総合診療が専門医として位置づけられ,専攻医の募集も始まっている.こうしたなかで,総合医のなかのサブ領域としての病院総合医,ホスピタリストなども関心を集め始め,学会のみならず各病院団体も独自にその養成に乗り出す動きもみられる.それぞれが表明している理念や方針は,ニュアンスの違いはあっても,基本的には「幅広い診療能力」や「全人的医療」などに集約される.ただ,呼称はともかく,総合医あるいは総合医的な機能が以前にも増して求められている時代背景があり,急性期の病態を中心とした医療から亜急性期・慢性期の医療ニーズにも対応できる医師像を求める医療現場の求めは今後も大きくなるだろう.こうした社会の要請を念頭に置いて,わが国における病院総合医の現状と課題,そして期待について述べたい.

参考文献

1)NHS to recruit 2,000 GPs from abroad. Health Service Journal, 17 July 2017.
2)10 ways a vanguard improved care. Healthcare Leader, 1 July 2017.
3)水野肇:誰も書かなかった日本医師会.草思社,2003
4)新村拓: 国民皆保険の時代—1960,70年代の生活と医療.pp193-194,法政大学出版局,2011
5)島崎謙治:日本の医療.pp318-322,東京大学出版会,2011
6)OECD Economic Surveys: Japan 2009 (Report). OECD, p117, 2009
7)Palabindala V, Abdul Salim S:Era of hospitalists. J Community Hosp Intern Med Perspect 8:16-20, 2018
8)Flanders SA:Fifteen Years of Hospital Medicine in North America What Went Right?. Gen Med 11:49-62, 2010
9)島崎謙治:日本の医療.p322,東京大学出版会,2011
10)デシュパンデ・ゴータム,大出幸子:米国におけるホスピタリスト医療:成熟する新しい専門領域.日内会誌 103:155-159,2014
11)Symonds G : Choosing wisely : Implications for cost savings on healthcare in Japan. J Gen Fam Med 17:125-131, 2016

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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