icon fsr

文献詳細

雑誌文献

病院78巻5号

2019年05月発行

文献概要

特集 地域の医療を残すために—病院の統合・再編

地方紙記者から見た兵庫県丹波市の病院統合

著者: 足立智和1

所属機関: 1丹波新聞社編集部

ページ範囲:P.345 - P.350

文献購入ページに移動
●2004年度に始まった新臨床研修制度に端を発し,兵庫県丹波市にある県立柏原病院と柏原赤十字病院は,大学の医局員引き揚げにより極端な医師不足に見舞われ,いわゆる医療崩壊が顕在化した.
●2病院という「箱」でなく,医療を残そうと考え,筆者らは病院統合の必要性を早くから訴え続けたが,病院統合は長く議論の俎上に上がらなかった.病院建替え時期に未到達だったこと,統合で生じることが予想される職員処遇,負債の清算などの諸問題など主に開設者側の事情による.
●「県立柏原病院の小児科を守る会」「丹波医療再生ネットワーク」「たんば医療支え隊」をはじめ市民総がかりで医療を守る活動を展開し,「医師ら医療関係者にとって温かい地域になろう」との思いは根付いた.ただ,市民運動が2病院統合に直接的に関わることはなかった.
●県立県営の新病院が2019年7月1日に開院する.3月末で閉院した赤十字病院にあった地域包括ケア病床,感染症病床は病院が,健診センターと1次診療機能は病院併設の丹波市健康センターが,それぞれ引き継ぐ.健康センターは県が指定管理者となり,総合診療医の育成拠点にする.県・市が投じる事業費は212億円.
●教育の充実により病院を再建する方針を掲げた院長の就任により,県立柏原病院は研修医が集まる病院に生まれ変わった.新病院は医学生の宿泊部屋を備えるなど,「教え学ぶ文化の醸成」をハード面から支えることも意識し整備された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら