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連載 多文化社会NIPPONの医療・23
「守り」と「攻め」の外国人患者受け入れ条件設定
著者: 堀成美1
所属機関: 1国立国際医療研究センター国際診療部
ページ範囲:P.608 - P.609
文献購入ページに移動 いっとき減っていた「英語対応できる医療機関を教えてほしい」という相談が増えている.ベトナム語やネパール語の通訳が見つからなくて困っているのは各地で共通した悩みであるが,英語で,しかも都市部からの相談である.英語対応医療機関といっても実際には医師が話せるということであって,電話での問い合わせや受付対応は日本語のみのところが多い.東京都の医療機関案内サービス「ひまわり」にも,「英語は対応だが要相談」とあるのはそのためである.そして「頑張って診ているけれど,これ以上は無理」というキャパシティ問題は,在住者だけでなく留学生や訪日客など増加が著しい層を受け入れている地域では切実な問題になっている.
困っているのは当事者だけではない.仲介会社や保険会社は日本で体調不良となった顧客からコールセンターに入るSOSに対応をしなければならないが,「XXX病院が対応しますので受診してください」という紹介ができなくなると,受診が遅れたり,結果として重症化したり後遺症が残るようなリスク案件にもなりうる.各社はこれまでの実績を元に独自に医療機関リストを作成しているが,それでは追いつかない状況となっている.
困っているのは当事者だけではない.仲介会社や保険会社は日本で体調不良となった顧客からコールセンターに入るSOSに対応をしなければならないが,「XXX病院が対応しますので受診してください」という紹介ができなくなると,受診が遅れたり,結果として重症化したり後遺症が残るようなリスク案件にもなりうる.各社はこれまでの実績を元に独自に医療機関リストを作成しているが,それでは追いつかない状況となっている.
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