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文献詳細

雑誌文献

病院78巻9号

2019年09月発行

文献概要

特集 ガバナンス改革で変わる病院

非営利組織のガバナンス—その特徴を踏まえた病院におけるガバナンスのあり方

著者: 松原由美1

所属機関: 1早稲田大学 人間科学学術院

ページ範囲:P.641 - P.645

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●ガバナンスは道具にすぎず,その国の歴史,文化,それらに基づく社会規範に合った形の道具の使い方を模索することが,社会を豊かにし,強くする.
●非営利組織とは,配当財源となりうる利益(儲け)を上げない組織である.非営利組織の上げる利益は,名称は利益だが,その実質は将来のコストといえる.そのレベルは事業安定継続に必要なレベルが適切である.
●わが国の病院のガバナンスにおいては,①非営利組織にふさわしい経営であるか,②事業費が公的資金で賄われるにふさわしい経営であるか,③医療内容は適切か,④病院において社会的価値を創造する当事者である職員が,その存在意義を発揮する職場かのチェックと,それを実現する仕組みづくりが求められる.

参考文献

1)青木昌彦・奥野正寛(編):経済システムの比較制度分析.東京大学出版会,1996
2)伊丹敬之,藤村隆宏,岡崎哲二他(編):企業とガバナンス.有斐閣,2005
3)加護野忠男,砂川伸幸,吉村典久:コーポレート・ガバナンスの経営学.有斐閣,2010
4)AA Berle, GC Means(著),北島忠男(訳):近代株式会社と私有財産.文雅堂書店,1958
5)大塚久雄:株式会社発生史論.岩波書店,1969
6)松原由美:介護事業と非営利組織の経営のあり方—利益と内部留保を中心に.医療文化社,2015
7)松原由美:非営利組織のガバナンス.経営行動研究年報,第24号:23-28,2015

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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