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文献詳細

雑誌文献

病院80巻1号

2021年01月発行

文献概要

特集 地域医療構想を踏まえた病院機能の選択 病院ごとの立ち位置に応じた機能選択

過疎地域の病院における機能選択の現状と課題

著者: 住友正幸1

所属機関: 1徳島県立三好病院

ページ範囲:P.40 - P.43

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■はじめに:徳島県西部圏域の概要
 徳島県立三好病院(以下,当院)は徳島県の西の端,四国で言えば中央部に当たる中山間地に位置する.高知県に発して北へ進んだ吉野川が讃岐山脈の隆起した岩盤に当たり,直角に東に進路を変えるところ,阿讃山脈に沿って走る中央構造線のすぐ南側の人口1万人ほどの田舎町にある.三方を山で囲まれ,平家の落人で有名な祖谷を代表に歴史に富み,風光明媚,緑と水の豊かな地域であるが,裏を返せば吉野川沿いを除けば人口はまばらで,「地方」といわれる徳島県の中でも最も過疎が進んだ地域でもある.一方,車を20分も走らせれば,隣県である香川県,愛媛県,高知県に通じており,仕事で通ったり,買い物に出かけたり,医療を他県に頼っている患者も少なくない.
 そして,われわれが守るべき徳島県西部圏域(以下,当圏域)は,東西約50km,南北約40km,広さは徳島県のちょうど1/3だが,人口は1割強の7万3千人で,人口減少率は年2%を超える.公的病院としては,西端に220床の当院,中間部に60床の(三好)市立三野病院と,120床のつるぎ町立半田病院がある(図1).つるぎ町立半田病院は当圏域の周産期医療を担っており,小児救急は当院と輪番となっている.市立三野病院はリウマチ膠原病のセンター化と,地域包括ケア病床の運営で特殊性を出している.そして当院は,当圏域の三次救急を担っている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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