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特集 地域医療構想を踏まえた病院機能の選択 病院の機能選択をどうみるか
地域医療構想アドバイザーからみた病院における機能選択の現状と課題
著者: 伊藤健一12
所属機関: 1蒲郡市民病院 2医療法人 いとう内科小児科
ページ範囲:P.56 - P.60
文献購入ページに移動2014年から,将来の医療需要に応じた医療資源の効率的運用を目指して,地域医療構想が策定され,各都道府県において病床機能報告データに基づき,議論を開始することになった.特に,公立・公的病院の不採算に着目した方向性で,地域医療構想調整会議(以下,調整会議)を設置し,ほぼ二次医療圏単位で議論をすることとなった.公立・公的病院はその成り立ちが個人ではなく地域における自治体を含めた集団の希望により設立されたという歴史的事実がある.従って,病院の機能変更,規模縮小は一医療機関の判断ではなく,自治体にある病院という立ち位置が前提となって,議論が行われる場合が多かった.
筆者は,地域医療構想アドバイザーとして,それらの議論に参加して,松田晋哉先生(産業医科大学)が以前より指摘しているように,大学を頂点とした医療機関ヒエラルキーが厳然として存在し,病院の評価が病床数をはじめとする病院規模を表す数字で評価されていると感じた.そこでは,住民が医療を受けるために必要な病院の機能について,具体的な議論がされてこなかった.さらに,この医療機関のヒエラルキー構造が病院で働く医療人の労働価値をも定めてしまっている.
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