文献詳細
文献概要
特集 新・ケアミックスが病院を変える—超高齢社会の患者ニーズの複合化への対応 新・ケアミックス化の潮流
回復期リハビリテーション病院が取り組む地域ケアミックス戦略
著者: 児玉直俊1
所属機関: 1医療法人社団行陵会
ページ範囲:P.870 - P.872
文献購入ページに移動京都市の北東端,市街地から離れた比叡山の麓にある大原は,四方を山々に囲まれた美しい山里だ.「三千院」「寂光院」など全国的にも名を馳せる古刹があり,昭和50年代JR(旧国鉄)が放ったディスカバージャパンのキャッチコピーに乗って,全国から多くの人が押し寄せた観光地でもある.
京都大原記念病院グループ(以下,当グループ)は1981(昭和56)年,その大原の里に,74床(当時)の大原記念病院(現京都大原記念病院)を開設したところから始まる.薬価基準の切り下げをはじめとして厚生省(現厚生労働省)が本格的に医療費抑制策を打ち出した年の病院開設であり,船出は厳しいものであった.「市街から遠く,人口2,800人程度の小さな村で,病院経営は困難.2年と持たないであろう」といった忠告や揶揄もあった.
しかし現在ではグループとして,京都大原記念病院(203床,以下,当院),京都近衛リハビリテーション病院(100床)といった2つの回復期リハビリテーション病院を中心に,外来クリニック,高齢者介護施設,高齢者住宅施設,自宅生活をサポートする訪問・通所サービス,介護予防・健康増進サービスなど,総合的なネットワークの展開に至っている(図1,2).
むしろ「医療の転換期」に誕生した病院だったからこそ,時代の変化に柔軟に対応し発展することができたのではないかと考えている.
掲載誌情報