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文献詳細

雑誌文献

病院80巻10号

2021年10月発行

文献概要

特集 新・ケアミックスが病院を変える—超高齢社会の患者ニーズの複合化への対応 新・ケアミックス化の潮流

大都市での地域包括ケアシステム,そしてケアミックス化—安心・安全なまちづくりへの貢献

著者: 金光宇1

所属機関: 1医療法人社団成和会西新井病院

ページ範囲:P.873 - P.876

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■はじめに—結果としてのケアミックス,継続する変化
 本特集の一環として「高齢化が進む大都市におけるケアミックス戦略」というテーマをいただいた.私たちは今の医療法人社団成和会の状態をケアミックス戦略として位置付けていなかったので戸惑ったが,客観的にはケアミックスであると思い直し本稿を書いている.
 地方であろうが大都市圏であろうが,高齢化する患者ニーズに寄り添えば結果として地域包括ケアシステムに取り組まざるを得ないと考えている.その結果がいわゆるケアミックス化になった.日々,診療の中で患者・家族との会話での気づきが,今の法人の形態を生み出している.大都市圏での病院経営は建築投資・人材確保面で厳しい対応を迫られている.思うことと実践することのギャップは非常に大きいと感じている.しかし,当地で生まれ育ち医師になり理事長となった今,あらためて地域の変遷に沿った医療提供を実践しなければと思う.急性期医療を基盤にした法人経営は,ここに昔より暮らす地域住民が子供の時,走り回っていた野原に家が建ち,住む人が増え,そして老いていき医療と介護が必要になってきた現在,急性期医療だけでは支えきれない局面にある.経営戦略云々を議論する前に,学校へ出向き注1,町内会に顔を出し,地域の医療福祉団体,行政の方たちと会話をすれば何をなすべきかが見えてくる.この結果が十分ではないが現在の成和会の姿である.

参考文献

1)東京都地域医療構想,平成28年7月
2)東京都保健医療計画,平成30年3月改訂版

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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