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特集 新・ケアミックスが病院を変える—超高齢社会の患者ニーズの複合化への対応 新・ケアミックス化の潮流
医療・介護の複合化戦略としてのケアミックス
著者: 星野豊1
所属機関: 1医療法人社団豊生会・東苗穂病院
ページ範囲:P.884 - P.888
文献購入ページに移動団塊の世代が後期高齢者となる2025年まであと数年,さらに団塊ジュニアが高齢となる2040年まで高齢人口は増え続け(高齢化率は2060年にピークと予測されている),いよいよ本格的な超高齢社会に突入している.
医療面では2016年から地域医療構想が調整会議の場で具体化が図られ,介護面でも地域支援事業などを加え日常生活での介護予防や重症化防止へ重点が移りつつあり,平成から令和への年号の変更を機に医療・介護も合わせた地域包括ケアシステムの構築が一気に進むと思われた.遺伝子治療や再生医療など引き続き医学の進歩は目覚ましいが,一方「治す」治療主体から「癒す」治療へと重点も移り,ACP・人生会議・健康寿命・人生百年時代など,世相やニーズも変わりつつある.
しかし,2020年初めからの新型コロナウイルスのパンデミックによる医療の逼迫や新たな弱点が露呈し,介護でも従来のサービス提供体制の見直しが迫られるかもしれない.
いずれにしても,医療での急性・慢性,一般・療養という機能別の垣根を少しでも低くし,医療・介護の一層の連携,そして地域でのネットワークの構築などは,これからの超高齢時代に避けられない課題と考えている.本稿ではこれらに対応するための取り組みを「新・ケアミックス」ととらえ,自法人の経過・現状・今後を考える.
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