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特集 新・ケアミックスが病院を変える—超高齢社会の患者ニーズの複合化への対応 新・ケアミックス化の潮流
医療・介護の複合化戦略としてのMedical Neighborhood
著者: 馬場園明1
所属機関: 1九州大学大学院医学研究院医療経営・管理学講座
ページ範囲:P.890 - P.893
文献購入ページに移動わが国では,人口の高齢化に伴い,複雑な病態を複数有する患者が増加してきている.近年,医療の高度化に伴い,専門診療は細分化され,医療機能の分化は進行してきたものの,患者ケアは細切れに分断化されて医療やケアの責任の所在があいまいになり,医療の質や効率性に問題が認められるようになっている.また,地域包括ケアシステムが機能するためには,プライマリ・ケアと急性期病院との垂直連携,地域におけるプライマリ・ケアと他の医療機関,介護事業所,地域包括ケアセンター,自治体との水平連携も必要とされているが,必ずしもうまくいっているとはいえない.
Medical Neighborhood(以下,MN)とは,米国で包括的なプライマリ・ケアを提供する医療機関であるPatient Centered Medical Home(以下,PCMH)が,他のヘルスケア機関やスタッフと連携して行う機能であり,効果的に統合・コーディネートすることの重要性を強調した概念である.
わが国のケアミックス病院は,専門医療,回復期医療,慢性期医療を統合した機能を持っているが,これに加えて,MNの機能を他の医療機関,介護事業所,地域包括ケアセンター,自治体と連携して行う可能性について検討してみた.
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