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文献詳細

雑誌文献

病院80巻11号

2021年11月発行

文献概要

特集 病院とお金の深い関係 病院に入るお金の最大化

病院における寄附の活用法

著者: 星北斗1

所属機関: 1公益財団法人星総合病院

ページ範囲:P.947 - P.949

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■はじめに
 福島県は全国的に見ると特異的に大型の民間病院が多い地域である.一方で国公立の病院は少なく,その理由は戊辰戦争にまで遡るそうだが,詳細は割愛する.民間とはいえ,大半は旧民法法人である「財団法人」として長年運営されており,先の公益法人改革に伴っていくつかの法人は公益認定を受けたが,残りの多くの病院も一般財団法人として病院運営を担っている.
 公益法人改革の際に病院の公益認定が認められるように,全国の旧財団法人・社団法人の病院団体である「一般社団法人全国法人立病院協会」を設立して活動したが,これも福島県で古くから活動していた任意団体「福島県財団法人病院協会」が中心となって組織化を図ったという経緯がある.この活動の主眼は,当時難しいとされていた病院を運営する法人の公益認定を可能とすることであったが,公益認定によってもたらされる恩恵の一つが「寄附税制」の適用である.
 公益法人に寄附を行った者の所得税における寄附控除が可能となるこの税制は,欧米での病院運営資金の柱の一つとされる寄附金の確保に大きな役割を果たしているとされ,当時の政府もその方向を探ろうとしたらしい.しかしながら,宗教的な背景の違いもあり,病院運営の柱とまではなっていないのが現状であるが,当院では比較的早くから寄附の重要性を意識しながらさまざまな寄附募集の試みやそれを活用した事業などを試行しているので,その一部を紹介したい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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