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特集 Withコロナ時代の病院経営 Withコロナ時代の病院経営を左右する要因
Withコロナ時代の医師需給・偏在対策
著者: 裵英洙12
所属機関: 1ハイズ株式会社 2慶應義塾大学
ページ範囲:P.219 - P.223
文献購入ページに移動COVID-19(新型コロナウイルス)によって医療界は大きく変化している.
まず,人の働き方や生活スタイルの変化による医療マーケットの構造変化だ.リモートワークの推進やCOVID-19不安による都市離れも起きており,人口動態が動き出している.つまり,今後の医療界マーケットの変動要因としてCOVID-19による生活様式の変化が無視できなくなる可能性が出てきたのである.総務省の住民基本台帳人口移動報告によると,2020年10月に東京都から他道府県に「転出した人」は前年同月比10.6%増の3万908人,他道府県から東京都に「転入した人」は7.8%減の2万8,193人で,2,715人の「転出超過」となっている.これまで,東京への一極集中が人口動態のお決まりのパターンであったが,コロナ禍による住まいや働き方を含めた人生観や生活スタイルの変化が出始めている.人口の動き,ひいては患者マーケットにも影響を及ぼす大きなうねりになる可能性が出てきたのだ.他方,人口減少,それに続く患者減少に悩んでいた地方には慈雨となり,将来の患者増につながるマーケット拡大の萌芽となり,今後の医療提供体制の変数の一つとして気になるところだろう.
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