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文献詳細

雑誌文献

病院80巻3号

2021年03月発行

文献概要

連載 病院で発生する「悩み」の解きほぐし方・11

虐待が疑われる場合に,どうしたらよいのでしょうか?

著者: 越後純子1

所属機関: 1国家公務員共済組合連合会 虎の門病院 医療の質・安全部 医療安全対策室

ページ範囲:P.266 - P.268

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Case
❶救急外来に,2歳の幼児が「階段から転落し上腕を骨折した」と,母親に連れられてきました.診察したところ,体格が同年代の平均より20%くらい下回っていました.今回の受傷部分以外に,内出血したような痣が数カ所見られ,その性状から,受傷時期は今回ではなく,一定時間経過したものが複数含まれているように見えます.
❷救急外来に,75歳の介護施設入所者が「ベッドから立ち上がろうとしたところ,頭部を打撲し,一時的に意識不明に陥った」と施設職員に連れられてきました.頭部CTを行ったところ,軽度ですが,外傷性のくも膜下出血が認められました.また,今回の受傷部分以外に,体幹部にも内出血したような痣や褥瘡が新旧複数箇所見られ,その性状から,繰り返し発生しているように見えます.来院時,患者の意識は回復していたので,受傷機転を聞いてみましたが,介護職員に突き飛ばされたと言ってみたり,自分でよろけたと言ってみたり,一貫性がありません.
❸救急外来に,30代の女性が「転倒し,顔面を強打した」と受診しました.顔面の腫脹が強かったことから,検査を行ったところ,頬骨および鼻骨が骨折していました.不審に思った看護師が患者に尋ねたところ,「同棲している男性から頬部を殴られたが,医師には黙っていてほしい」と言われました.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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