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文献詳細

雑誌文献

病院80巻4号

2021年04月発行

文献概要

特集 医薬品・医療材料をどうコントロールするか 病院における医薬品・医療材料のコントロール

病院における在庫管理の課題—運用の標準化と省力化を実現するために

著者: 木村真敏1

所属機関: 1エム・シー・ヘルスケア株式会社

ページ範囲:P.324 - P.327

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■SPDの歴史と効果
 SPD(Supply, Processing and Distribution)という言葉は,在庫管理やその周辺業務を指す言葉として,今や医療業界の中で一般用語として定着している.SPDが普及する前は,体系的な定数管理注1がされておらず,主に看護師により,部署ごとの現場の経験などに基づいた物品管理が行われていた.欠品を恐れて過剰・滞留在庫が発生し,マスタ管理は追い付かず,結果として医療スタッフの業務負荷となり,死蔵在庫や廃棄損が生じていた.また,医療材料のディスポーザブル化に伴い,品目数と費用は増大していった.
 このような背景の中で,エム・シー・ヘルスケア株式会社(以下,当社)は約25年前に,病院が定数品を使用するタイミングで所有権が移転する消化払い方式であるJITS(Just In Time & Stockless)というシステムを開発した.コンピューターによる物品管理や実績データにより在庫管理の適正化が進み,業務効率化を通じて看護師はコア業務に注力できることとなった.当時のSPDの普及は,現在の働き方改革に通ずるものであったといえよう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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