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特集 医薬品・医療材料をどうコントロールするか 病院における医薬品・医療材料のコントロール
新型コロナウイルス感染防止のためのPPE不足品対策
著者: 草場恒樹1 和田耕治2
所属機関: 1株式会社モレーンコーポレーション 2国際医療福祉大学医学部公衆衛生学
ページ範囲:P.334 - P.340
文献購入ページに移動2019年12月に中国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルス感染症(以下,COVID-19)は,1年を経た現在でも,ワクチン接種はスタートしたが,世界中でその感染拡大が止まっていない.その影響で医療用手袋やガウン,マスクなどの個人防護具(Personal Protective Equipment:PPE)の需要は高まり続けており,2020年の3月,4月にはマスクやガウンなどのPPEが国内で不足どころか,枯渇するという事態が発生した.今現在でも手袋などの一部のPPEが不足し,価格が高騰するなど,予断を許さない状況が続いている.
今回の危機的状況の原因は急激かつ大幅な需要の増大だが,簡単に回復できない理由は阻害要因が一つではなく,複雑に絡み合っているからだ.ただ,PPEの種類によって特有の課題も明らかになってきているので,丁寧にその対策を組み合わせていけば,今後,感染拡大がさらに長期化し,進んだ場合や,新たな感染症パンデミックが発生した場合でも対処できると考える.
今回はこのPPEが不足した危機的状況の経緯を時系列に読み解きながら,その原因と対策を考察したい.
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