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文献詳細

雑誌文献

病院80巻5号

2021年05月発行

文献概要

特集 働き方改革のための生産性向上 総論

2040年に向けての医療機関における生産性の向上への取り組み—組織として生き残るために必要なこと

著者: 鈴木大輔1 有島尚亮1

所属機関: 1公益財団法人慈愛会 今村総合病院

ページ範囲:P.397 - P.401

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■はじめに
 「経営とは何か」.その問いへの答えは,10人いれば10通りあるかもしれない.しかし,「経営の目的は何か」という問いに対しては,「利益を上げること」と答える経営者が多いのではないだろうか.これは「事業を継続させること」が経営の最大の目標であり,そのためには利益が大前提となるからであろう.
 医療業界においては,従来にも増して「経営」という言葉が重みを増してきている.
 しかし,病院経営は厳しい状況が続いており,日本病院会や全日本病院協会などが実施している2018年6月における病院経営定期調査(有効回答数1,111病院)1)によると,経常赤字の病院が53.8%と半分以上は赤字経営に陥っている.また,昨今では新型コロナウイルス感染症の流行に伴い,患者数の減少だけではなく,医療体制の危機も叫ばれている.
 本稿では,今村総合病院(以下,当院)が2014年より進めてきた取り組みを振り返り,その成果と生産性注1の向上への貢献や今後の課題を帰納法的アプローチにて分析する.医療機関は,今後生き残るために(事業を継続させるために),どのような対策をとるべきかについて検討することで,組織の在り方や今後の課題について考察したい.

参考文献

1)一般社団法人日本病院会:平成30年度病院経営定期調査—集計結果(概要)(2018年12月7日) https://www.hospital.or.jp/pdf/06_20190220_01.pdf
2)神田昌典:ストーリー思考—「フューチャーマッピング」で隠れた才能が目覚める.pp39-40,ダイヤモンド社,2014
3)伊賀泰代:生産性—マッキンゼーが組織と人材に求め続けるもの.p33,ダイヤモンド社,2016

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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