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特集 働き方改革のための生産性向上 総論
2040年に向けての医療機関における生産性の向上への取り組み—組織として生き残るために必要なこと
著者: 鈴木大輔1 有島尚亮1
所属機関: 1公益財団法人慈愛会 今村総合病院
ページ範囲:P.397 - P.401
文献購入ページに移動「経営とは何か」.その問いへの答えは,10人いれば10通りあるかもしれない.しかし,「経営の目的は何か」という問いに対しては,「利益を上げること」と答える経営者が多いのではないだろうか.これは「事業を継続させること」が経営の最大の目標であり,そのためには利益が大前提となるからであろう.
医療業界においては,従来にも増して「経営」という言葉が重みを増してきている.
しかし,病院経営は厳しい状況が続いており,日本病院会や全日本病院協会などが実施している2018年6月における病院経営定期調査(有効回答数1,111病院)1)によると,経常赤字の病院が53.8%と半分以上は赤字経営に陥っている.また,昨今では新型コロナウイルス感染症の流行に伴い,患者数の減少だけではなく,医療体制の危機も叫ばれている.
本稿では,今村総合病院(以下,当院)が2014年より進めてきた取り組みを振り返り,その成果と生産性注1の向上への貢献や今後の課題を帰納法的アプローチにて分析する.医療機関は,今後生き残るために(事業を継続させるために),どのような対策をとるべきかについて検討することで,組織の在り方や今後の課題について考察したい.
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