文献詳細
特集 超高齢時代のリハビリテーション評価
総論 リハビリテーションの評価
文献概要
■はじめに
超高齢時代になり,心身機能の低下を来す高齢者は急速に増えつつあり,包括的なリハビリテーションニーズは確実に増加している.リハビリテーション医療は急性期,回復期,生活期(維持期)に分けられ,それぞれの役割や目的は異なる(図1)1).
医療制度改革が進む昨今,急性期では在院日数削減が,回復期では急性期からのできるだけ早い受け入れが求められている.そのため,回復期では全身状態が不安定な患者の受け入れ機会が増えており,今後もその傾向は継続するものと思われる.回復期病院では受け入れ患者の詳細な情報収集が重要であり,患者の状態悪化の際には急性期病院への逆紹介を考える必要がある.ゆえに,回復期病院と急性期病院が密な連携を構築しておくことが重要である.
回復期において,機能的目標の達成が近づくと,自宅退院が可能か否かの判断が必要になる.回復期病棟に入院した患者にはできる限り在宅生活を前提とした準備を進める.その際,介護保険利用を前提として退院前にサービス担当者会議を実施し,家庭訪問による家屋評価,評価をもとにした住宅改修や福祉用具の準備などを行うことが多い.
本稿では回復期病院の立場から,急性期病院との連携,リハビリテーションゴール到達後の医療・介護の連携の意義や課題について概説する.
超高齢時代になり,心身機能の低下を来す高齢者は急速に増えつつあり,包括的なリハビリテーションニーズは確実に増加している.リハビリテーション医療は急性期,回復期,生活期(維持期)に分けられ,それぞれの役割や目的は異なる(図1)1).
医療制度改革が進む昨今,急性期では在院日数削減が,回復期では急性期からのできるだけ早い受け入れが求められている.そのため,回復期では全身状態が不安定な患者の受け入れ機会が増えており,今後もその傾向は継続するものと思われる.回復期病院では受け入れ患者の詳細な情報収集が重要であり,患者の状態悪化の際には急性期病院への逆紹介を考える必要がある.ゆえに,回復期病院と急性期病院が密な連携を構築しておくことが重要である.
回復期において,機能的目標の達成が近づくと,自宅退院が可能か否かの判断が必要になる.回復期病棟に入院した患者にはできる限り在宅生活を前提とした準備を進める.その際,介護保険利用を前提として退院前にサービス担当者会議を実施し,家庭訪問による家屋評価,評価をもとにした住宅改修や福祉用具の準備などを行うことが多い.
本稿では回復期病院の立場から,急性期病院との連携,リハビリテーションゴール到達後の医療・介護の連携の意義や課題について概説する.
参考文献
1)石川誠:リハビリテーション医療について.日本リハビリテーション病院・施設協会(編):高齢者リハビリテーション医療のグランドデザイン.青海社,pp7-12,2008
2)徳永誠,桑田稔丈,渡邊進,他:回復期リハ病棟における脳卒中患者のADL 改善に関する調査 地域連携パス導入前後の比較および地域連携パス参加病院とそれ以外の病院との比較. 臨床リハ 18:663-668,2009
3)小澤常徳:急性期病院を中心とした脳卒中地域連携クリティカルパスの構築とIT ネットワーク化.脳卒中 31:521-530,2009
4)橋本洋一郎,渡邊進,平田好文,他:脳卒中医療における連携の考え方.脳卒中 31:491-496,2009
5)梅津祐一:回復期・生活期(維持期)のシステム.総合リハ 43:193-198, 2015
6)梅津祐一:回復期病院の地域医療連携.MB Med Reha 151:67-74,2012
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