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特集 超高齢時代のリハビリテーション評価 各論 医療の各フェーズにおけるリハビリテーションの現状と課題
在宅医療における訪問リハビリテーションの意義と課題
著者: 鈴木修12
所属機関: 1一般社団法人日本訪問リハビリテーション協会 2社会医療法人財団慈泉会地域在宅医療支援センター
ページ範囲:P.521 - P.525
文献購入ページに移動令和2年版厚生労働白書1)によると,日本国民の平均寿命は平成の30年間に約5歳伸び,2040年にかけて,男性の約4割が90歳まで,女性の2割が100歳まで生存すると見込まれ「人生100年時代」が射程圏内になってきた.健康寿命の延伸を図るとともに,ライフステージに応じてどのような働き方を選ぶか,就労以外の学びや社会参加などをどのように組み合わせていくかといった生き方の選択を支える環境準備が重要と述べられている.
住み慣れた場所で,直接・間接的に「心身機能」「活動」「参加」のそれぞれにバランスよく働きかけることが求められる訪問リハビリテーションは,患者を生活者として捉え,家族のみでなく,その患者に関わる全ての人々がサービス提供の対象となる.とりわけ患者を生活者として在宅生活にソフトランディングさせることは重要な役割であり,地域の医療・介護資源を有効に活用することが必要で,地域創りへの参画も求められることが多い.
2020(令和2)年度の診療報酬改定では,医療機能の分化・強化,連携と地域包括ケアシステムの推進として,在宅復帰等につながるよう質の高い在宅医療・訪問看護の確保や,他の医療機関等との連携,介護サービスとの連携・協働等が強化され,患者が安心・納得して退院し,早期に住み慣れた地域で療養や生活を継続できるための取り組みが推進された.2021(令和3)年度の介護報酬改定においても,退院(所)直後のリハビリテーションを充実させる観点から,退院(所)の日から起算して3カ月以内の患者に対しては,週12回まで算定が可能になるなど在宅医療・介護の推進を図るに当たって訪問リハビリテーションが担うべき役割は大きい.
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