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文献詳細

雑誌文献

病院80巻7号

2021年07月発行

文献概要

特集 地域包括ケア時代における病院の在宅への関わり方 総論

かかりつけ医機能としての在宅医療と病院での展開

著者: 迫井正深1

所属機関: 1厚生労働省医政局

ページ範囲:P.580 - P.585

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 医師の働き方改革等に対応するための医療法等改正法1)が2021年5月21日に成立,その施行をはじめとした医療提供体制改革の展開がいよいよ本格化する.改革キーワードとして掲げてきた“三位一体”,すなわち相互に連関する「働き方改革」「地域医療構想」「医師偏在対策」を丁寧に紐解きながら,医療提供体制を持続可能なものとして将来世代に引き継ぐための取り組みである.
 構築を目指す体制は,介護や生活支援とともに地域での一体的な医療提供を目指す「地域包括ケアシステム」との整合も求められる.在宅医療が地域包括ケアシステムの文脈から捉えた方が分かりやすいのはこのためであり,関係職種による地域包括ケアシステム構築の取り組みは,近年大きく展開しつつある.このような視点から,病院による在宅医療は“医療提供体制改革”と“進化するケア”の両面から見つめていく必要がある.

参考文献

1)良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を推進するための医療法等の一部を 改正する法律(令和3年法律第49号)
2)厚生労働省:2040年を展望した社会保障・働き方改革本部のとりまとめについて.2040年を展望した社会保障・働き方改革本部(2019年5月29日),資料1
3)国立社会保障・人口問題研究所:将来人口推計及び患者調査.から推計.中医協資料総—5(2017年3月15日)
4)社会保障制度改革国民会議:社会保障制度改革国民会議報告書—確かな社会保障を将来世代に伝えるための道筋(2013年8月6日)
5)二木立:保健・医療・福祉複合体—全国調査と将来予測.医学書院,1998
6)二木立:第3節 保健・医療・福祉複合体の全体像.医療経済・政策学の研究,勁草書房,2018
7)迫井正深:2040年に向けた医療提供体制の再構築と中小病院の展開.病院79:106-111,2020
8)宇都宮宏子:外来機能を活用した入退院支援(医療法人渓仁会手稲渓仁会病院).Nursing Business 2019年春季増刊号,2019
9)宇都宮宏子:これからの入退院支援・在宅移行支援—「ケアプロセスマネジメント」と「意思決定支援」の視点から.看護管理28:960-964,2018
10)宇都宮宏子:退院後訪問,訪問看護への出向(川崎医科大学総合医療センター).Nursing Business 2019年春季増刊号,2019
11)公益社団法人日本看護協会:訪問看護実践を通じた病院看護師の在宅療養支援能力向上に関する調査研究事業報告書.平成28年度老人保健事業推進費等補助金老人保健健康増進等事業,平成29年3月

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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