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文献詳細

雑誌文献

病院80巻7号

2021年07月発行

文献概要

特集 地域包括ケア時代における病院の在宅への関わり方 病院タイプ別の在宅支援のあり方

在宅療養支援病院は新型コロナ禍の下でどのように在宅支援を行ったか

著者: 織田良正1

所属機関: 1社会医療法人 祐愛会織田病院

ページ範囲:P.606 - P.609

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■はじめに
 社会医療法人 祐愛会織田病院(以下,当院)は,佐賀県鹿島市(人口約3万人)にあり,佐賀県南部医療圏(以下,当医療圏)に属している.病床数は111床,看護体制7:1で,地域の急性期から在宅医療までを担っている.当医療圏は全国平均より高齢化の進展が早く,すでに85歳以上の救急搬送患者,新規入院患者が急増し,当院の入院患者における85歳以上の割合は,2019年度は27.9%,2020年度は29.4%となっている.
 85歳以上の患者は要介護,認知症の割合が高くなる上,独居や老々世帯も増加している.入院後に安心して自宅での生活に戻るためには,退院後もケアの継続が重要である.われわれは退院後も患者が住み慣れた地域で安心して療養生活を送ることができるように,「治す医療」から「治し支える医療」を合言葉に,入院中だけでなく退院後の生活も意識して,2010年4月から在宅療養支援病院(以下,在支病)として,訪問診療を行うとともに,病院に併設している訪問看護ステーションと連携し,24時間対応可能な体制を確保し,緊急時には往診や,入院対応が可能な体制を整えている.なお,2015年には機能強化型在支病となった.また,訪問看護ステーションも市内に他事業所がないため,機能強化型の届出を行い,当院だけではなく,他医療機関からの依頼も受け,地域の訪問看護のほとんどを担っている.
 当院の在支病としてのこれまでの取り組みは,新型コロナ禍の下での在宅医療にも生かされているのを実感している.その中で大きく分けて,「新型コロナウイルス感染症(以下,COVID-19)対策」と「在宅支援でのICTの活用」がポイントとなったので,以下に説明する.

参考文献

1)織田良正:ICT活用で病院から在宅患者を見守る.週刊医学界新聞 第3377号:4, 2020
2)織田正道,織田良正,森川伸一,他:IoT・AIを活用した「在宅見守りシステム」の概要及び特徴と有用性.新医療 47(5):66-69,2020

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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