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特集 データヘルスで変わる病院 データヘルスの潮流——海外の事例から
オーストリアにおけるELGAシステム
著者: 松田晋哉1
所属機関: 1産業医科大学公衆衛生学
ページ範囲:P.710 - P.714
文献購入ページに移動本稿で紹介するオーストリアは,わが国やフランス,ドイツ,オランダと同じように,社会保険制度に基づいて医療サービスを提供している国である.そして,わが国と同様,国民皆保険下における自由開業制とフリーアクセスという提供体制のために,医療機関間の情報共有や医療サービスの質評価など,わが国と類似の理念で政策課題を抱えていた国でもある.オーストリア政府はこの問題に対処するために,ELGA(Elektronische Gesundheitsakte)プロジェクトというe-healthのプログラムを展開し,短期間でその一般化に成功し,今日では予防から第三次医療までをカバーするこのシステムに国民の96%以上がアクセスできる体制を構築している.本稿では,その概要とそこから得られる日本への示唆について論考してみたい.
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