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文献詳細

雑誌文献

病院81巻1号

2022年01月発行

文献概要

特集 COVID-19パンデミックから地域医療構想を再考する 地域医療構想の制度的枠組み

データから考える地域医療構想の課題

著者: 松田晋哉1

所属機関: 1産業医科大学 医学部 公衆衛生学教室

ページ範囲:P.26 - P.31

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■COVID-19の流行が明らかにしたわが国の医療提供体制の問題点
 今回の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行は,わが国の医療体制の問題点を明らかにした.高度急性期・急性期を標榜する病院の多くが,例えば二次救急を担う施設,救急告示病院であるにもかかわらず,COVID-19患者を受け入れることができないという状況が生じてしまった.そして,メディアではCOVID-19患者を受け入れることができる病床が不足する一方で,一般病床にかなりの空床が生じていることが批判された.
 COVID-19の受け入れは,通常の救急よりも多くの人的資源,物的資源を必要とするため,諸外国に比較して病床当たりの人的資源が少ないわが国で,一般診療を行いながらCOVID-19対応を行うことは,確かに困難であったといえる.この結果は高度急性期・急性期については集約化・大規模化を行い,こうした施設における人的資源の配分を厚くすることの必要性をあらためて示したものといえる.

参考文献

1)厚生労働省:第二十四回 地域医療構想に関するワーキンググループ 参考資料1-2(令和元年9月26日) https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_06944.html
2)厚生労働省:令和元年度DPC導入の影響評価に係る調査「退院患者調査」の結果報告について 参考資料1 (5)救急車による搬送の有無 https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000196043_00004.html
3)厚生労働省:令和元年度病床機能報告の報告結果について https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/open_data_00006.html
4)Jost L:Entropy and diversity. Oikos 113:363-375, 2006 doi:10.1111/j.2006.0030-1299.14714.x
5)松田晋哉:ビッグデータと事例でみる日本の医療・介護の未来.勁草書房,2021
6)『病院』セミナー「難局を乗り越える中小病院の経営戦略」(2020年12月13日) https://www.igaku-shoin.co.jp/seminar/detail/sem201213_web
7)松田晋哉:地域医療構想のデータをどう活用するか.医学書院,2020

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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