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特集 COVID-19パンデミックから地域医療構想を再考する 地域医療構想の制度的枠組み
データから考える地域医療構想の課題
著者: 松田晋哉1
所属機関: 1産業医科大学 医学部 公衆衛生学教室
ページ範囲:P.26 - P.31
文献購入ページに移動今回の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行は,わが国の医療体制の問題点を明らかにした.高度急性期・急性期を標榜する病院の多くが,例えば二次救急を担う施設,救急告示病院であるにもかかわらず,COVID-19患者を受け入れることができないという状況が生じてしまった.そして,メディアではCOVID-19患者を受け入れることができる病床が不足する一方で,一般病床にかなりの空床が生じていることが批判された.
COVID-19の受け入れは,通常の救急よりも多くの人的資源,物的資源を必要とするため,諸外国に比較して病床当たりの人的資源が少ないわが国で,一般診療を行いながらCOVID-19対応を行うことは,確かに困難であったといえる.この結果は高度急性期・急性期については集約化・大規模化を行い,こうした施設における人的資源の配分を厚くすることの必要性をあらためて示したものといえる.
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