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特集 戦略的病院広報—病院の魅力を高めリスクを減らす 院外に向けた戦略的広報
甲状腺疾患専門病院における戦略的病院広報への取り組み
著者: 伊藤公一1 熊野真吾2 白田有香2
所属機関: 1伊藤病院 2伊藤病院広報室
ページ範囲:P.959 - P.963
文献購入ページに移動伊藤病院(以下,当院)は1937年開設の民間病院である.始まりは甲状腺外科医であった祖父・伊藤尹が自ら手術をし,術後管理を施す有床診療所であった.開業通知には「バセドウ氏病及甲状腺疾患の外科及物理療法」と明記され,専門特化に立ち向かう決意を表している.
その2年後に病院となり,1959年に父・伊藤國彦が,そして1998年に筆者が院長職を引き継いでいる.
このように血縁で3代続く個人病院として,甲状腺疾患診療のみを貫いてきた1-5).
とはいえ,昔も今も「専門病院」の明確な定義や基準は存在せず,医療法上「甲状腺疾患専門病院」と標榜することはできない.
そこで1997年に「甲状腺を病む方々のために」という明確な理念と,甲状腺の形状に例えられる「蝶々が羽を広げた姿」をホスピタル・アイデンティティ(HI)内に掲げた(図1).これらが専門病院としての院内外への広報の始まりである.
本稿では,当院の持つ医療特性を見据えた上での病院広報への取り組みを紹介する.
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