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特集 戦略的病院広報—病院の魅力を高めリスクを減らす 職員に向けた戦略的広報
職員間のコミュニケーション向上を目指した「中吊り広告」—中小規模病院でも対応可能な戦略的病院広報
著者: 山本美穂1 風晴俊之1 美原盤2
所属機関: 1公益財団法人脳血管研究所美原記念病院 事務部広報課 2公益財団法人脳血管研究所美原記念病院
ページ範囲:P.973 - P.975
文献購入ページに移動脳血管研究所美原記念病院(当院)は,群馬県に所在する「脳・神経疾患の急性期から在宅まで一貫した医療介護の提供」をミッションとする総病床数189床,脳神経内科,脳神経外科,循環器内科,リハビリテーション科,精神神経科などを標榜したケアミックス型の脳・神経疾患専門病院である.医師,看護師らメディカルスタッフ,事務職など,およそ400人の常勤職員が在籍している.
病院運営において広報活動は重要な課題と認識されるが,当院のような200床未満の中小規模の病院の場合,広報活動に特化した部署を設置することは多くなく,例えば事務部の中に広報機能を置く,あるいは多職種のメンバーで構成される広報委員会などを設けて対応するのが一般的だと思われる.当院においても,従来,広報活動は委員会活動の一つとして位置づけ,院外報,院内報の発刊,院内掲示物の管理などを行っていた.しかし,広報活動は委員会メンバーにとって本業の片手間に行うものであり,適切に機能しているとは言い難く,院外報,院内報の発刊も不定期になってしまっていた.
そこで,2021年4月,事務部内に広報課を設置,専従職員として1人を新規採用し,広報の責任者として一定の権限を与え機能強化を図った.権限を持った専従職員を配置したことにより,広報課からの依頼に対し,例えば記事のネタとなる情報提供など,各職場の職員の対応は協力的になった.一方,広報課の存在が職員間に周知された結果,各部署から広報に関わる相談や講演会のポスターなど,掲示物作成の依頼も増えた.職員のニーズに応えることにより広報課の業務が確立されつつあると感じられた.
広報課の主な業務は,院外向けの病院ホームページのコンテンツの更新や管理,院外報の企画・作成,マスコミに対しての取材依頼などがある.また,院内に対しては,院内ホームページの更新,院内掲示物の制作・管理,そして院内報の企画・作成などがあるが,本稿では職員間のコミュニケーション向上に寄与していると思われる当院の院内報,「中吊り広告」について紹介する.
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