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特集 検証 2022年度診療報酬改定 改訂のトピックス
2022年度改定における調剤報酬改定と薬剤師・薬局を取り巻く諸課題
著者: 有澤賢二12
所属機関: 1公益社団法人日本薬剤師会 2中央社会保険医療協議会
ページ範囲:P.1048 - P.1051
文献購入ページに移動2022年度の診療報酬改定にあたり,2021年12月22日,大臣折衝(厚生労働大臣・財務大臣)が行われ,診療報酬の全体の改定率を+0.43%とし,各配分は医科+0.26%,歯科+0.29%,調剤+0.08%とすることが示された.日本薬剤師会として以前より主張してきた技術料比に基づく配分比である医科:歯科:調剤が1:1.1:0.3と公平に配分された点においては,関係者各位の多大な尽力に感謝をしたい(なお,薬価の改定率は▲1.35%の厳しい改定であった).また,効率的な医療提供体制の整備等として,「症状が安定している患者について,医師の処方により,医療機関に行かずとも,医師及び薬剤師の適切な連携の下,一定期間内に処方箋を反復利用できる,分割調剤とは異なる実効的な方策を導入することにより,再診の効率化につなげ,その効果について,検証を行う」とされた,いわゆる「リフィル処方箋」の導入が示された.
その他,診療報酬・薬価に関する制度改革事項における薬局関連分としては,①費用対効果を踏まえた後発医薬品の調剤体制に係る評価の見直し,②薬局の収益状況,経営の効率性等も踏まえた多店舗を有する薬局等の評価の適正化,③OTC類似医薬品等の既収載の医薬品の保険給付範囲の見直しなど,薬剤給付の適正化の観点からの湿布薬の処方の適正化が示された.
中央社会保険医療協議会(中医協)ではそれまでの議論を踏まえ,2022年1月21日の公聴会を経て同年2月9日,後藤茂之厚生労働大臣に対して2022年度診療報酬改定答申が行われた.2022年度改定が過去の改定からの変遷もふまえてどのように薬剤師・薬局に影響するのか,次回以降の改定で薬局機能,薬剤師職能が変わるべきなのかを述べたい.
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