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文献詳細

雑誌文献

病院81巻12号

2022年12月発行

文献概要

特集 検証 2022年度診療報酬改定 病院種別の改訂影響と評価

回復期医療に及ぼした影響と評価—回復期リハビリテーション病棟

著者: 岡本隆嗣12

所属機関: 1一般社団法人回復期リハビリテーション病棟協会,保険・調査委員会 2医療法人社団朋和会 西広島リハビリテーション病院

ページ範囲:P.1078 - P.1083

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■はじめに:前回の改定までの経緯
 2000年の回復期リハビリテーション(以下,リハ)病棟入院料の創設後,診療報酬の改定の度に,さまざまな要件が追加されてきた1).入院対象疾患の拡大,発症から入院までの日数および入院算定上限日数の短縮,結果(アウトカム)指標(重症度・改善度・在宅復帰率)と過程(プロセス)指標(休日リハ体制,1日のリハ提供時間)に加え,言語聴覚士(ST)・医師・社会福祉士など専門職の専従配置が評価された.
 2016年の改定ではリハ提供量による改善に関して医療機関ごとの差が大きいことがクローズアップされ,FIM(Functional Independence Measure)運動項目評価による「実績指数」,すなわち効果的・効率的なリハが求められるようになった.2018年には入院料が6段階となり,入院料1に管理栄養士の配置が行われた.また2020年には発症〜入院までの期限が撤廃され,重症患者の長期間回復例についても,回復期リハを受ける機会が広がった.
 2022年の改定では重症者の入院割合が10年ぶりに引き上げられたことに加え,第三者評価の導入,入院対象疾患の追加,入院料が1〜5に整理再編されたこと,が主な内容であった2)

参考文献

1)岡本隆嗣:チーム医療の中のリハ医のリーダーシップ 様々なチームシチュエーション—回復期リハビリテーション 病棟システム.MB Med Reha 222:18-28,2018
2)日本リハビリテーション医学会社会保険委員会:令和4年度リハビリテーション医療に関する診療報酬改定について—回復期リハビリテーション病棟と地域包括ケア病棟.Jpn J Rehabil Med 59:650-653,2022
3)Donabedian A:The quality of care. How can it be assessed? JAMA 260:1743-1748, 1988
4)宮井一郎:回復期リハビリテーション病棟における「重症度,医療・看護必要度」の活用と課題.病院79:762-768,2020
5)岡本隆嗣,園田茂,宮井一郎,他:回復期の現状と今後の行方—平成24年度実態調査結果から.回復期リハビリテーション12:2230,2013
6)一般社団法人回復期リハビリテーション病棟協会:回復期リハビリテーション病棟の現状と課題に関する調査報告書2021年版.2022年2月
7)厚生労働省:中央社会保険医療協議会 総会(第496回)資料.入院(その3)回復期入院医療について(中医協 総-2-1).p117,2021年11月12日 https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000864213.pdf
8)近藤国嗣:回復期リハビリテーション医療—これまでの20年,これからの20年.Jpn J Rehabil Med58:468-481,2021
9)岡本隆嗣:回復期リハビリテーション病棟における医師の役割.臨床リハ31:337-346,2022
10)公益社団法人日本医療機能評価機構:2021年度事業実績報告書.2022年6月

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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