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文献概要
特集 これからの地域共生社会と病院経営の未来 地域共生社会における病院経営のあり方
人口減少時代における地域共生社会と病院経営
著者: 広井良典1
所属機関: 1京都大学こころの未来研究センター
ページ範囲:P.198 - P.202
文献購入ページに移動 日本という国の際立った「特徴」は何かという点について,例えば1980年代であれば,当時『ジャパン・アズ・ナンバーワン』という本が話題になったように,日本とはまずもって「経済成長における最優等生」ないし「ハイテク技術の先進国」として認識されていた.現在はどうか.上記のような日本の性格は大きく変わり,日本という社会の最大の特徴は,世界における「人口減少と高齢化のフロントランナー」という点になっている.
実際,図1に示されているように,明治維新以降,日本の人口は急速な増加を続けていたが,2008年をピークとして人口減少社会に移行し,現在の出生率(2020年で1.34)が続けば,2050年過ぎには1億人を切り,さらに減少を続けることが予測されている.明治以降百数十年にわたって続いた「人口や経済の限りない拡大・成長」という前提が,根本から変わる時代を私たちは迎えているのである.
実際,図1に示されているように,明治維新以降,日本の人口は急速な増加を続けていたが,2008年をピークとして人口減少社会に移行し,現在の出生率(2020年で1.34)が続けば,2050年過ぎには1億人を切り,さらに減少を続けることが予測されている.明治以降百数十年にわたって続いた「人口や経済の限りない拡大・成長」という前提が,根本から変わる時代を私たちは迎えているのである.
参考文献
1)広井良典:人口減少社会のデザイン.東洋経済新報社,2019
2)広井良典:持続可能な医療—超高齢化時代の科学・公共性・死生観.ちくま新書,2018
3)広井良典:コミュニティを問いなおす—つながり・都市・日本の未来.ちくま新書,2009
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